タイタニック号の最終寄港地コーブ
ダブリンの南、コークから車で30分で行ける距離にあるコーブ。タイタニック号の最終寄港地として知られています。当時の名前はクイーンズタウン。ヴィクトリア女王の訪問を記念して1850年につけられた名前ですが、1920年からまた以前からの名前、コーブという名前に戻っています。
コーブは小さな港町です。St.Colman大聖堂が街のシンボル的存在です。
こんなかわいい家々が。住みやすいのでしょうか。
コーブ・ヘリテージ・センターではタイタニック号にちなんだ展示や、第1次世界大戦のときに撃沈されたルシタ
ニア号に関する展示などがあります。ルシタニア号が攻撃されたとき、1198人もなくなったそうです。
タイタニック号にもたくさんのアイルランドからアメリカにわたる人々が乗っていました。1845年から1849年の4年にもわたる厳しいジャガイモの不作による飢饉や疫病の流行などに行き詰まったアイルランドの背景があります。1848年から1950年の間に600万人のアイルランド人口のうち、250万人が北アメリカへ移住したと言われています。ここ、コーブから人々はいろいろな思いや不安、そして新しい生への希望を抱いた必死の航海への旅立ったのです。
1892年にニューヨークの移民として認められた最初の移民アン・ムーアとその弟たち。移民の象徴になっています。アメリカに渡ってからも、アイルランド人は差別など受けたり、暮らしは決して楽だった訳ではありません。現代はこのような先人の汗と涙の結晶なんですね。
この小さい港にそのようなたくさんの人々の強い思いやアイルランドの歴史が刻まれていると思うと、感慨ひとしおでした。人々は海を渡ってアメリカに行くことはなくなりましたが、今も先人の希望を運んだ海の道はアメリカ大陸へと続いています。アイルランドは復活しました。そして、幸せと富のある豊かな国へと力強く再生しています。